飼っている猫がいつもと違う行動をとり始めた、何だか様子がおかしい、そんな時は発情期を迎えている可能性があります。

猫の発情期がいつ頃で、どんな行動をとるのか、その対処法についてもまとめてみました。

そもそも猫の発情期って何?

大抵の動物は性的に成熟すると、周期的に交尾が可能な状態になります。これを発情期といいます。発情期を迎えるのは、繁殖のための本能的なものです。

生まれたばかりの動物は厳しい環境に耐えられないので、気候や餌の調達などの面から親が子育てしやすい時期に生まれるよう、繁殖の時期が決まっています。ヒトのように発情期がない動物のほうが珍しいと言えます。

猫が発情する時期

個体差はありますが、メス猫はオス猫よりやや早熟で、生後3か月ぐらいで性成熟が始まり、生後6~12か月ほどで初めて発情します。オス猫も性成熟が始まるのは生後3か月後あたりですが、本格的に発情するようになるのは9~12か月ぐらいです。

メス猫の発情期には気候と日照時間が関係しています。日照時間の長い2~4月と気温の高い6~8月に発情期を迎える猫が多く、回数としては年に2~4回ほどとなります。

しかし、太陽光に限らず人工的な照明も影響するので、飼い猫の場合あまり季節性はないと言われています。

オス猫はメス猫が発情期を迎えて特有の行動をし始めると、それに誘発されて発情期を迎えます。つまり、オス猫に決まった発情期はなく、メス猫の発情期に左右されると言えます。

一回の発情期の期間は、これも個体差があるので一概には言えませんが、2~3週間が平均的な長さです。

猫の発情期特有の行動

猫は発情期を迎えると普段と違う様々な行動をとります。中には人間にとって困った行動も多々見られます。

メスの行動

発情期のメスの行動として特徴的なのは、まず頻繁に高い声で鳴き続けるというものがあります。これは自分の居場所をアピールしてオスを惹きつけるためで、普段の鳴き声と全く違います。

また、あちこちでおしっこをするスプレー行為もするようになります。いろいろな場所におしっこをすることで、自分の匂いやフェロモンをまき散らしオスを誘うのです。

他にも、体をあちこちにこすりつける、飼い主に甘えて擦り寄ってくる、外に出ようとする、お尻を上げた姿勢をとるなどの行動が見られます。

オスの行動

オスの行動にもメスと共通したものがあり、特に鳴き声とスプレー行為はよく見られる行動です。

鳴き声はメスの鳴き声に応えて自分の居場所を知らせるものであるほか、他のオスへの牽制でもあります。

スプレー行為は自分の匂いをつけることでなわばりを示す行動で、自分が大きい猫だと思わせようとより高い位置でおしっこをしようとします。

他には、普段おとなしい猫でも攻撃的になったり、メスを探しに外に出ようとすることなどがあります。

発情期の困った行動、やめさせることはできる?

猫は夜行性なので、発情期特有の行動を起こすのも夜間が多くなります。夜通し大きな声で鳴かれると飼い主が睡眠不足になることもありますし、近所迷惑にもなりかねません。

また、普段はきちんとトイレでおしっこをする猫でもあちこちでスプレーするので部屋が汚れるという問題もあります。

しかし、発情期というのは性的に成熟した猫であれば必ず迎えるもので、それに伴う行動も本能的なものです。

しつけでどうにかなるものではないので、叱ったところで改善されません。それどころか、無理にコントロールしようとすると猫にストレスを与えることになってしまいます。

猫に合わせて対策を

どこかを見ている猫

やめさせることができない以上、人が猫に合わせて工夫をするほかありません。お互いのためにできる限りのことはしてあげましょう。

夜の鳴き声が困るというなら、昼の間にたっぷり遊んで疲れさせると夜の行動は多少抑えられます。一緒に遊ぶ時間を長く取ってあげたり、猫の好奇心を満たすようなおもちゃを買って気を引いてみたりするといいでしょう。

スプレーをされるのは部屋が汚れたり洗濯物が増えたりして困りますが、掃除の手間や洗濯物が減る工夫をすれば、ストレスも軽減されます。

例えば、猫がおしっこをしそうな場所にトイレシートを設置しておくだけでも随分違います。

調べてみると出てくる裏ワザ、試す前に

猫の発情行動に困って対策を調べているうちに、いろいろな裏ワザも目にします。

これなら効果がありそうと思って試す前に、それが猫にとって本当にいいかどうか注意しなければいけません。

膣を刺激する疑似交尾

メスの場合、発情期の対策として湿った綿棒で膣を刺激してあげるという方法をとる飼い主も中にはいます。確かに、膣を刺激すると交尾した時のように排卵して発情期を終わらせることができます。

しかし、そんなデリケートな場所を素人が触るのは傷つけてしまう危険性が高いので安易におすすめはできません。

やるなら獣医に相談してからにしましょう。

マタタビで気を紛らわせる

猫にマタタビを与えると、酔っぱらったように恍惚とするのはよく知られています。この特性を活かして、発情期の猫にマタタビを与えて気を紛らわせるという方法もあります。

ただ、マタタビに関心を示すかどうかは個体差があり、効果のない場合もあります。

そして何より、マタタビはお酒というよりどちらかというと麻薬のようなもので、あまり与えすぎると呼吸困難に陥るおそれがあります。

そんなものを発情期の度に与えるのは猫の健康を考えると避けたいものです。

睡眠導入剤で夜眠らせる

動物病院で睡眠導入剤を処方してもらい、猫に飲ませて夜間は眠らせるようにするという方法ですが、薬には副作用が起こるリスクもあります。

発情期の度に薬を飲ませるのは猫の体に負担がかかりますし、夜眠らせるなら昼間に運動をさせて疲れさせるほうが健康的です。

避妊去勢手術が一番の対策

発情するのは本能的なものであり、生殖能力がある限り猫は何度でも発情期を迎えます。しかし繁殖することがないのであれば、発情期は必要ないと言えます。

家で飼っている猫に子猫を産ませる予定がなければ避妊去勢手術をしてしまうのが一番の対策です。

避妊去勢手術のメリット

猫にとって、発情期を迎えて性衝動があるのに交尾できないというのは大変なストレスです。発情期の度にそんなストレスを感じていると、寿命にも影響しかねません。

そう考えると、手術することは飼い主が猫の発情行動に悩まされなくなるというだけでなく、猫にとってもメリットがあると言えます。

また、メスの場合、乳腺腫瘍や子宮の病気の予防にもなります。オスの場合も脱走して事故に遭ったり、メスを巡ってオス同士で喧嘩をして怪我をしたりするリスクが少なくなります。

全身麻酔を伴う手術は負担になるのではという心配もありますが、却って健康長寿に繋がり得るのです。

避妊去勢手術の費用

オスの去勢手術の場合は15,000~25,000円程度ですが、メスの避妊手術は20,000~35,000円が相場となっています。

精巣をとるだけの去勢手術に対し、卵巣と子宮を全摘出する避妊手術は開腹手術が必要なため、やや高額なのです。

自治体によっては猫の避妊去勢手術に対し助成金を出しているところもあるので、手術の前に調べてみるといいでしょう。

猫と人が快適に過ごせるような環境づくりを

子猫の出産を望まないのであれば、できるだけ早く手術を受けさせるのが良いでしょう。

子猫の出産を望んでいる、他に何らかの理由があって手術を受けさせないというのであれば、猫と人が快適に過ごせる環境を整え、発情期と上手く付き合っていきましょう。